メモリ半導体・DRAM市場を解説

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メモリ半導体の一種であるDRAMのマーケットを解説いたします。2020年時点でDRAMは大手半導体メーカーのSamsung(サムスン)・SK hynix (ハイニックス)・Micron (マイクロン)の3社に大きく依存しています。

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DRAMとは

そもそもDRAMとは、Dynamic Random Access Memoryの略で、データを一時的に記憶するメモリーを指します。メモリ半導体は常に通電していなければデータが保持できない揮発性メモリと通電していなくてもデータを保持できる不揮発性メモリに大別できますが、DRAMは揮発性メモリに該当します。なお、不揮発性メモリの代表はNANDフラッシュです。

詳しいことはこの記事では省きます、下記のリンクなどを参照してください。
今咲アサミ『スマホやPCに利用されている「DRAM」って何? SRAMとの違いは?』
PALTEK『メモリ基本講座 DRAMとは何ぞや』

メモリ半導体・DRAM市場の規模

半導体メモリは出荷総額ベースで全半導体デバイス出荷額のうち約3割を占めます。そのうち、過半数以上がDRAMが占めており、残りの殆どがNANDフラッシュです(その他にもごく僅かにNORフラッシュやSRAM、MRAMといったタイプのメモリがあるが規模は小さい)。下記グラフで半導体デバイスにおけるDRAMとNANDの内訳を示します(WSTS・Yole Développementの資料を元に筆者が作成)

半導体メモリの2019年〜2025年のマーケット年間平均成長率は金額ベースで約9%となっており、うちDRAMが7%、NANDが10%ほどの年間平均成長率となるようです。

ここで一点注意しなければならないのは、DRAMやNANDといったメモリ半導体の個数ベースの需要成長率(Bit Growthという)は上記の数字を上回ります。ただ、メモリ半導体の単価(Bit単価)は下落バイアスがあるため必ずしも金額成長が同じにはなりません。Bit GrowthがBit単価下落を超えると金額規模が拡大します。

DRAMの需給バランス

2020年現在、世界のDRAMの供給は韓国のSamsung(サムスン)・SK hynix(ハイニックス)およびアメリカのMicron(マイクロン)の3社によってほぼ9割強が賄われています。言ってしまえばDRAM市場はこの3社による独占寡占市場となっているのです、下記ではWafer InputベースのDRAM供給シェアを円グラフで示します(Trend Forceのデータを元に筆者が作成)。

エンドマーケット別にTAMを見るとData Centerが最も大きく、続いてスマートフォンPCゲーム、コンスマー、車載及びその他といった構図になっています。DRAMメーカーから見みて重要なマーケットはData Center・スマートフォン・ゲームの3セグメントでしょう。特にこの3つの市場に関してはSamsung・SK hynix・Micronの大手3社の独占市場となっており、その他の市場には台湾の南亜(ナンヤ)テクノロジーなどが食い込んでいるような形です。

また、DRAMのスポット価格は半導体業界の市況を測る上で非常重要な指標となっています。DRAMスポット価格については下記の記事を御覧ください。

DRAM eXchangeとメモリ半導体価格
台湾Trend Forece社のDRAM eXchangeでメモリ半導体のスポット価格情報を参考に半導体業界の市況を知る方法を解説。Samsung(サムスン), Kioxia(キオクシア), Micron(マイクロン), SK hynix(ハイニックス)など大手半導体メーカーの動向やニュースを知るのに役立つ。

DRAM市場の45年

DRAM市場は45年の歴史を持ちます。今でこそ世界のDRAM市場はSamsung(サムスン)およびSK hynix(ハイニックス)という韓国2社に6割以上のシェアを握られ、残りはアメリカのMicron(マイクロン)しか存在感がありませんが、過去には様々なプレイヤーがいました。

下記のグラフで示すとおり、DRAMは1970年代にあのIntel(インテル)が開発したことが始まりでした。その後Texas Instruments社やMostek社などアメリカメーカーが参入し、アメリカの独壇場でした。しかし、80年代に入ると東芝やNEC、日立などの日本メーカーが高品質を武器に主にメインフレーム向けにシェアを急拡大していきました。Intel(インテル)がDRAMから撤退し、CPU事業に舵を切ったのも80年代です。

しかし、80年代後半になると日米半導体協定など政治的な理由で日本の半導体メーカーの立場が悪くなり、韓国が台頭してきます。また、それまでメインフレームがDRAM市場の大部分を占めており、高品質が売りだった日本のDRAMは強さを発揮していましたが、次第にパソコンの時代に移り変わり、今までの高品質はDRAMに求められず代わりに価格が重視されるようになります。そこで90年代に入るとSamsung(サムスン)を筆頭とする韓国半導体メーカーが価格を武器に台頭し始め、反比例するように日本のDRAMメーカーはシェアを落としていきました。

続いて、2011年以降の過去10年の半導体メーカー別DRAMシェアをグラフで示します。2013年に坂本氏率いる最後の日本DRAMメーカーであったElpidaが破綻し、Micron(マイクロン)になりました。それ以降はSmasung(サムスン)・SK hynix(ハイニックス)・Micron(マイクロン)3社の寡占市場となっています。世界のDRAM供給はこの3社に大きく依存しており、今後もしばらくはこの状態は変わらないと考えられます。

DRAM市場の今後

DRAM市場は今後も成長を続けます。上述の通り、各調査会社の資料によると今後5年間で平均年間成長率約7%が見込まれているようです。主な需要はデータセンター向けサーバーメモリ(DDR4, HBM)、スマートフォン向けLow Power DRAM (LPDRAM)およびPlaystationやXboxなどのゲームコンソールに使われるGraphic Memory(GDDR6)でしょう。

また、DRAMの微細化は現在1Znm世代以降に突入しており、今後はオランダASMLのEUV露光装置がDRAMの微細化に必要になると言われています。私自身、DRAMといった半導体デバイスのニュースだけでなく、露光装置など半導体製造装置(および株)のニュースも注視しています。

Samsung、2020年内にもDRAMへのEUVの適用を開始か? – 韓国メディア報道

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