TSMC 2021年Q4決算まとめ

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皆様、大変お世話になっております。

台湾の半導体受託製造最大手、TSMC (台湾セミコンダクターマニュファクチャリング/$TSM)の2021年Q4(10月ー12月期)決算発表がリリースされましたのでポイントを記事にて纏めたく思います。

【売上成長】
FY21 Q4 売上: $15.74B … YoY +24.1% *NTDの場合YoY+34%
FY21 通年売上: $56.82B … YoY +24.9%
FY22 Q1売上: $16.6B – $17.2B … YoY +23%
FY22 通年売上: +20%中盤~後半の成長見込み
→粗利率は50%台、営業利益率は40%台を維持【CAPEX(設備投資)】
FY21 $30B
FY22 $40B – $44B
→中期では$30B台中盤維持を見込む

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TSMC Q4決算結果

TSMCのFY21 Q4決算結果とFY22 Q1のガイダンスです。

【Q4決算結果】
売上
: $15.74B … QoQ +5.8% / YoY +24.1% *NTDの場合YoY+34%
Gross Margin: 52.7% … QoQ +1.4ppt / YoY -1.3ppt
Operating Margin: 41.7% … QoQ +0.5ppt / YoY -1.8ppt
EPS: 
NTD 6.41  … QoQ +6.4% / YoY +16.4% *USD$1.15
【FY21通年】
売上: $56.82B … YoY +24.9%
Gross Margin: 51.6% … YoY -1.7ppt
Operating Margin: 40.9% … YoY -1.4ppt
EPS: 
NTD 23.01  … YoY +15% *USD$4.12

四半期ごとの売上と粗利率、営業利益率の推移をまとめたグラフが下記となります(TSMC 決算資料を基に筆者作成)。

四半期売上はQ3に次いでまたまた過去最高売上&利益の記録を更新することができました。後述しますが5nmのプロセスの売上は今四半期では23%と過去最高水準に達し、FY21の通年でも5nmと7nmと合わせた2つの先端プロセスで50%の売上比重を占めるに至りました(FY20は5nm&7nmのプロセスの売上比重は41%)。

利益率も高水準を維持しています。Conference Callでは主に調達コスト改善によりQoQの粗利率を微増させることができたと説明がされ、営業レバレッジにより営業利益率もQoQ微増となりました。

TSMC Q1ガイダンス

下記はFY22 Q1(1月-3月)のTSMCによる会社ガイダンスです。

【FY22 Q1ガイダンス】*変化率はMid Point基準
売上: $16.6B – $17.2B / QoQ +7% & YoY +23%
Gross Margin: 53% – 55% / QoQ +1.3ppt & YoY +1.6ppt
Operating Margin: 42% – 44% / QoQ +1.3ppt & YoY +1.5ppt
TSMCによると、2022年Q1は主にHPC、車載、スマホが牽引するとのことです。

FY22のCAPEXとTSMC売上成長見込み(Conference Call)

TSMCのConference Callによると2022年のCAPEXは$40B – $44Bを見込むとのことです。2021年は半導体設備投資投資の記録的な年でTSMC自身も2021年に$30BのCAPEXを費やしましたが、さらに投資額を増やすということです。中期のCAPEXの見通しとしてはRemain Mid $30B Level($30B台を維持する)としています。
また、TSMCによると、2022年のメモリーを除く半導体市場の成長は+9%、ファブレスは+10%中盤、ファウンドリーは+20%、TSMC自身は+20%台中盤(USD換算)の業績を予想しています。
2022年のTSMCの成長の背景はシェア向上と価格の改善によるもので、特に2022年にTSMCの売上を牽引する(growth faster than corporate average)アプリケーションはHPC(High-Performance Computing)と車載市場とのことです。一方でスマホ市場は”Close to corporate average”とのことでした。

TSMC プロセス別売上

TSMCのプロセス別売上は下記のようになっています。上述の通り、すでに50%以上の売上が5nmと7nmの先端プロセスから来ています。2021年通年の売上も50%がこの2つのプロセスによるものでした。

TSMCのアプリケーション別売上比率

続いてTSMCのエンドアプリケーション別の売上構成比率を見てみます。エンドアプリケーションの区分は下記のようになっています。

Smartphone→スマホ / AppleやQualcomm
HPC→High Performance Computing / AMDやNvidia
IoT→IoT
Automotive→車載
DCE→Digital Consumer Electronics (コンスマー家電)
Others→Consumerや産業機械など
TSMCの売上の大半をスマートフォンとHPCが占めています。もともと、アップルなどスマホ向けの売上が多かったTSMCですが、最近はAMDやNVIDIAなどのコンピューティング向けCPUやGPUの売上も成長してきています。
半導体におけるスマートフォン市場はとても大きいですが、やはり季節性や景気によるブレが大きいです。一方でHPC、特にサーバーなどのセグメントは中長期で増え続けるメガトレンドですので個々の部分をしっかり掴まて居るのは非常に重要なことかと思います。
2021年通年でのセグメント別売上を見てみると、スマホが44%(FY20は48%)、HPCが37%(FY20は33%)と約81%をスマホとHPCの売上に依存しています。
セグメント別の売上成長を見ると車載向けが+51%(FY20 -7%)、HPCが+34%(FY20 +39%)と大きく成長している事がわかります。一方でスマホは+9%(FY20 +23%)の成長にとどまりました

まとめ

TSMC FY21 Q4・FY21通年・FY22の見通しのまとめです。

【売上成長】
FY21 Q4 売上: $15.74B … YoY +24.1% *NTDの場合YoY+34%
FY21 通年売上: $56.82B … YoY +24.9%
FY22 Q1売上: $16.6B – $17.2B … YoY +23%
FY22 通年売上: +20%中盤~後半の成長見込み
→粗利率は50%台、営業利益率は40%台を維持【CAPEX(設備投資)】
FY21 $30B
FY22 $40B – $44B
→中期では$30B台中盤維持を見込む

【その他】
5nmの四半期売上比率23%に、5nm&7nm通年売上比重50%に
FY21のTSMCアプリ別売上は車載+51%、HPC +34%、スマホ+9%とそれぞれ成長
N3量産2022年2Hから

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