お世話様です。
最近話題のChat GPTですが筆者も最近良く使うようになりまして、今日はそれについて記事を書こうと思います。Chat GPTがなんぞやという方はググってください。
筆者はChat GPTに触れ始めてまだ1ヶ月ほどです。最初はくだらない質問をしてその応答に感動したり、翻訳させてみたりと遊んでいた程度なのですが、ある日仕事中に社内の別の部署の専門家(QA Engineerの人)に聞きたいことがあるけどその人は不在、ググったり参考書を見るのも怠い。。。というありふれた場面に遭遇しまして『あ、Chat GPTを使ってみよう』とふと思い立ったわけです。すると驚いたことに完璧な答えが返って来てしまい、それ以来仕事でちょくちょくChat GPTの力を借りるようになりました。
筆者はそれ以来Chat GPTに下記のような事で力を借りています。
・Chat GPTに営業、マーケティング資料作りを手伝わさせる→具体的なメーカー名を指定して型番付きのブロックダイアグラムを書かせたり、その後に競合メーカーの類似製品に置き換え提案を指せる。
・目下の半導体市況について考察を述べさせる
半導体の仕様や特性について解説させた
以下では例としてNANDフラッシュの耐久性の基礎知識について質問をしてみました。下記の受け答えを見た感じだと、今まで簡単な事を社内のエンジニアに質問していたり、そうでなくても自分で教科書を開いたりネットで調べてみたりしていた時間と手間が省けると思います。また、新人教育の資料を作るにも使えるなと思いました。
この他にも半導体の不良解析の手法など、実際の業務でお客さんに説明するにあたりわからない事を今まで社内の人間に聞いたり教科書を見て調べていた事をChat GPTに解説させたりしています。
Q. NANDフラッシュのPEサイクルとは?
A. NANDフラッシュメモリにおいて、PEサイクル(Program/Erase cycle)とは、データを記憶するプログラムサイクルと、データを削除するイレースサイクルを合わせた回数を表します。つまり、NANDフラッシュメモリは、情報を記憶するために書き込みサイクルが必要であり、また、情報を削除するためには消去サイクルが必要となります。PEサイクルは、NANDフラッシュメモリが使用可能な期間を表す指標として用いられ、PEサイクルの回数が増えると、メモリセルの信頼性が低下し、データの書き込みや読み出しに失敗する可能性が高くなります。したがって、PEサイクルの回数を減らすことが、NANDフラッシュメモリの寿命を延ばすために重要な課題となります。
Q. PEサイクル3000回のフラッシュメモリーがスマートフォンに使われている場合、大体何年くらい使えますか?
A. PEサイクルが3000回のNANDフラッシュメモリがスマートフォンに使われている場合、使用期間は様々な要因によって異なりますが、一般的には数年間使用できると考えられます。ただし、具体的な使用期間は、デバイスの使用頻度や使用環境、ストレージ容量の使用状況などの要因によって大きく異なるため、一概には言えません。また、現在のスマートフォンでは、NANDフラッシュメモリのPEサイクル回数を減らすために、トリミングやガーベジコレクションなどの技術が採用されており、より長い寿命が期待されます。
Q. SSDのData Retentionが10 years / 1 year at end of device lifeとはどういう意味ですか?
A. SSDのData Retentionが10年/1年というのは、SSD内に保存されたデータが保持される期間を表しています。通常、SSDの内部ストレージに保存されたデータは、電源が切れても一定期間は保持されますが、その期間が限定されています。例えば、”10年”という表現は、通常の使用環境下で、電源が切れた後、データが10年間保持されることを意味しています。ただし、この期間は、使用環境によって異なる場合があります。また、”1 year at end of device life”というのは、SSDの寿命が終わった後にデータが保持される期間を表しています。通常、SSDは使用期間が長くなると、書き込みや消去によってデータの保持期間が短くなる傾向があります。そのため、寿命が終わったSSDの場合は、保持期間が1年以下になる場合があるという意味です。Q. ということは、お客さんにSSDのデータ保持期間は10年なんですかそれとも1年なんですか?と聞かれたらどう答えればいいですか?当該SSDに使用されているNANDフラッシュの書き換えサイクルは60K回とします。
A. お客さんにお答えする場合、SSDのデータ保持期間は、通常の使用環境下で10年間保持されますが、SSDの寿命が終わった後には、保持期間が1年以下になる場合があることをお伝えすることが適切です。ただし、このデータ保持期間は、使用環境や使用頻度、保存データの種類によって異なる場合がありますので、あくまでも一般的な目安としてお伝えすることが適切です。また、SSDに使用されているNANDフラッシュの書き換えサイクルが60K回の場合、通常の使用環境下で、そのSSDは長期間使用できると考えられます。ただし、使用環境や使用頻度、保存データの種類などによって異なるため、SSDの寿命については、一概に言えない場合があります。
このように答えが決まってる内容についてはほぼ完璧な受け答えをしてくれます。またそれを踏まえて状況に合わせた説明文(顧客からの質問というロールプレイ)を作らせてみましたが、これも使えるなと思いました。
特定の半導体を置き換えるメリットについて解説させた
以下ではMRAMという次世代メモリを使用するアドバンテージやディスアドバンテージについて解説させてみました。
Q. MRAMを使用するメリットを特性を踏まえて教えてください。
A. MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)の使用には、次のようなメリットがあります。
- 高速なアクセス時間:MRAMは、従来のDRAMやNANDフラッシュメモリよりも高速なアクセス時間を持ちます。これは、MRAMがキャッシュメモリとして使用される場合や、高速な応答性が必要な組み込みシステムに適していることを意味します。
- 高い信頼性:MRAMは、フラッシュメモリよりも信頼性が高いです。MRAMは、書き込みサイクルの制限がなく、エラーが発生するリスクが低く、高温や放射線にも強いという特性があります。
- 低消費電力:MRAMは、DRAMやフラッシュメモリに比べて、低消費電力で動作することができます。これは、電力を効率的に利用することができるため、モバイルデバイスや低電力組み込みシステムに適していることを意味します。
- ノンボラティル:MRAMは、DRAMとは異なり、電源がオフになってもデータを保持することができます。これは、データの永続性が求められる組み込みシステムに適していることを意味します。
以上のように、MRAMの特性は、高速性、信頼性、低消費電力、ノンボラティルといった点にあり、組み込みシステムにおいて重要な役割を果たすことができます。
Q. 現在MRAMはどのようなアプリケーションに使用されていますか?また現時点におけるその限界についても教えてください。
A. 現在、MRAMは主に低消費電力、高速動作、高い信頼性が求められる携帯電話、スマートフォン、タブレットなどのポータブルデバイス、車載エレクトロニクス、IoTデバイス、ハードディスクドライブなどに使用されています。また、MRAMは、データ保護やセキュリティ、高速キャッシュメモリ、プロセッサの高速化など、さまざまな用途にも利用されています。一方で、MRAMの限界としては、製造コストが高く、製造プロセスが難しいこと、セルの大きさが大きく、メモリ密度が低いこと、動作電圧が高く、電源電圧が低いデバイスでは使用が困難であることが挙げられます。また、MRAMの応答速度はDRAMやSRAMに比べて遅く、高温や放射線の影響を受けやすいことも課題です。これらの課題を解決するために、今後の研究開発が期待されています。
ブロックダイアグラムを書かせて置き換え提案をさせてみる
デジタルカメラメーカーにCMOSセンサー、SoCもしくはFPGA、メインメモリ、バッテリーマネジメントICをどう提案するか、ブロックダイアグラムを用いてやってみろというタスクを与えてみました。非常に一般的な内容でこれをこのままコピペして使うことは難しいですが、使い方を工夫すればアイデアを出すのにいいのでは?と思いました。
具体的な型番を提案させてみた
さらに実在するメーカーの型番を書かせてみました
競合製品に置き換え提案させてみた
CMOSセンサーの置き換えを提案させてみました。本当に使えるかどうかは別として。
この他にも実在する半導体商社(複数の異なるメーカーを扱っている)のリンクを貼って『この会社の取り扱いメーカーで置き換え提案をしてください』というような課題を出してもこなしてくれました。
目下の半導体市況について解説させてみた
最後に、2023年上半期の半導体市場の見込みについて文章を書かせてみました。
Q. 2023年上半期の半導体市場の見込みについて1500字程度で記事を書いてください。
A. 2023年上半期の半導体市場は、様々な要因により複雑な状況が予想されます。ここでは、主要な要因をいくつか挙げ、それらが市場に与える影響について説明します。
まず、需要面から見た場合、半導体は現代社会において欠かせない存在となっており、多くの製品に使われています。しかし、2022年から2023年にかけては、新型コロナウイルス感染症の流行によって世界的な景気減速が懸念されており、需要が減少する可能性があります。
一方、供給面においては、2022年から2023年にかけての半導体市場は、前年と比較して供給不足に陥る可能性が高くなっています。主な原因は、世界的な半導体需要の増加に対し、サプライチェーンの影響や天候不順などによる生産遅延などが挙げられます。また、米中貿易摩擦や韓国と日本の関係悪化によって、東アジア地域における半導体産業の供給チェーンが変化する可能性があり、市場に与える影響も大きいと考えられます。
以上のような要因から、2023年上半期の半導体市場は需要と供給のバランスが大きく影響することが予想されます。特に、供給不足が続く場合には、価格が高騰する可能性があります。一方で、需要が減少した場合には価格が下落することが考えられます。また、AIやIoTなどの技術の発展によって、半導体の需要は今後も高まっていくと予想されます。しかし、技術の進化によって需要が変化する可能性があり、市場の変化に対応するためには柔軟な対応が求められます。
総じて、2023年上半期の半導体市場は、需要と供給のバランスや世界的な経済状況などによって大きく変動する可能性があります。市場の動向を注視し、適切な対策を講じることが求められます。
文章としては非常に洗練されていますが、内容自体は筆者個人的な主観と照らし合わせると頭を傾げざるを得ません。
需要減速の原因を新型コロナウイルスの流行としていたり、現在は供給過剰が取り沙汰されている中で日刊貿易摩擦を理由に供給不足になるとしていたり、ちょっと怪しいです。
ただ、半導体市況を需給面から考察し、その背景についてしっかりと掘り下げて考察することができるのは驚きです。
今後の半導体市場はデータセンターが牽引
最後になりますが、本ブログでは今まで何度も半導体市場に関して解説をしてまいりました。
様々な業界関係者やアナリストが口を揃えて言うように今後の半導体市場の大きなテーマの一つが増え続けるデータセンター投資です。
Chat GPTのようなサービスが普及することで特に高性能なロジック半導体やメモリの需要が加速していくと思われます。
AI実現のためにはグラフィック処理装置(GPU)が必要であり、GPUには高帯域幅メモリ(HBM)をはじめとする高性能DRAMが装着されなければならない。市場が大きくなるほどメモリ半導体の需要が増えるわけだ。また、実現したAIはデータセンター(サーバ)に含まれなければならない。今まで半導体メーカーのサーバ向けの売上がクラウドサービスに集中していたとすれば、AIでもサーバ向けの売上が大幅に拡大することができる。
引用『「チャットGPT」発AI戦争に動揺するサムスン・SK…「半導体の新市場が開かれる」』
半導体の中の人も今後適度にAIに仕事を手伝わせて、会社でいいパフォーマンスを出しながら同時に半導体の需要に貢献していこうと思います。
以上です。